田舎にいる。
田舎暮らしをしていた時の家のようだが、よく見ると古民家のようでもあった。
誰の家だかわからないが、僕の家の設定になっている。
誰か別人の人生を見ているのだろうか。
あまり晴々としない気分だ。
妻が、何か困っていた。
きっとパソコンの調子が悪いからだと勝手に判断した。
パソコン専門ショップに行って、新しいパソコンを買いに行こうと妻に言う。
妻はさほど乗り気ではなさそうだ。
旧車のような昭和のとても古い車に二人で乗って出かける。
カクカクとしたシルエットで、色はグレーのセダンだ。
まるで年寄りが乗るような車だ。
途中、踏切を左折すると、何かおかしいことに気が付いた。
高架上の線路の上を走っていたのだ。
妻と恥ずかしそうに目を合わす。
焦って車を降りて、走って線路を引き返す。
乗っていた古い車は片手に抱えて線路下に落とした。
車はぐしゃっと潰れてしまった。
仕方なく、歩いてお店まで向かう。
小さなパソコンショップに着いた。
店に店員は三人いたが、誰もが忙しそうにしていた。
なぜか幼稚園児のような幼い子供を接客していたので、接客が終わるまで待つ。
長い長い接客。
「まだ終わりませんか」と尋ねるが、店員は「もう少し待ってください」と冷たく言い放つ。
結局、僕と妻はそのまま1時間半という長時間、店員の接客を見ていた。
「もういい加減にしてくれませんか!」
しびれを切らして僕が言うと、店員は申し訳なさそうにパソコンの説明を始めた。
僕は少しイライラとしてきたので先に店を出て妻を待った。
しばらくすると、妻が手ぶらで店から出てきたので事情を聴くと、あまり良いパソコンがなかったそうだ。
無駄な時間を過ごしてしまったと思って先を急ぐ。
でも、僕らはいったいどこへ向かっているのだろう。
良い天気の中歩いていると、懐かしい建物があった。
それは塔のようになった建物だ。
以前に自分たちが建てたたものだが、時代が過ぎて、なんとなく見劣りする。
その隣にも塔のような建物が建っていた。
そして、その隣には宿舎のような建物。
昔はもっと地味だったのに、次の住人が赤と青にペイントしてセンスのない建物になっていた。
その横には古民家が見えた。
ここに以前は住んでいたが、もう手放したのだ。
次の住人が農家なのかなんなのか、家や庭は手を加えられて、ずいぶんと田舎臭い雰囲気になってしまっていた。
懐かしいなと思った。