近所のD公園に妻と二人でいる。
野球場では白に赤いアクセントのあるユニフォームを着た小・中学生が練習をしていた。
ゴーっという大きな音が聞こえてきた。
地震の地鳴りではなく、その音は空から聞こえていた。
東の空を見ると、大きな積乱雲が迫って来ていた。
その雲は濃い灰色で、原爆のキノコ雲のようにも見えた。
それは、どんどん大きくなっていった。
ついにポツポツと冷たい雨が頭に当たる。
雲が東から西へ移動するのも妙だが、こちらへ徐々に近づいてきているようだ。
野球をしていた子供たちは、自転車に乗って急いで家へ帰っていく。
僕らはどうしよう。
D公園にはコンクリートでできた丈夫なトイレがあった。
そこへ逃げようと妻と二人でゆっくりと向かう。