図書館いや市民会館のような大きな施設にいる。
僕はどこぞのお偉いさんの御曹司のような立場にいた。
妻の家の養子に入ったためか、王族、政治、いやアカデミズムだろうか、なんらかの堅い世界に身を置いていた。
僕はこんな世界は到底うまくやっていけるわけがないと思っていた。
今日は式典の日だ。
こんな式典には出たくないのだが、出ないといけない雰囲気だった。
僕は嫌がった。
まもなく妻の知り合いの偉い先生がスピーチをするようだ。
その先生には自分もお世話になった。
そのころ妻は衣装に着替え中だった。
昼食用だろうか、高級な弁当を持ってくるお手伝いさんのようなオバチャンが目に入った。
僕は式典を放り出し、市民会館のような施設の屋上に出た。
その屋上の右手から公園のような場所につながっていることがわかっていた。
ところが屋上に出ると屋上全体に水が溜まっており、公園の道が閉ざされていた。
困った。
僕は車に乗った。
晴れた空の下、道は遠くまで続いていた。
この道は、なぜかベトナムへ向かう道だと悟った。
ベトナムは海の向こうだ。
途中、海が現れたが、道は海の上までずっと続いていた。
道は途中でベルトコンベアのようになり、そのベルトの上を魚がはねていた。