秘密基地のような場所にいる。
ところが、秘密基地だと思っていた場所は、歩くにつれ、一軒家に変化していった。
その家は、山の中にあるのだが古民家ではなく、築30~40年くらいの昭和の建物だった。
その建物には老夫婦が住んでいた。
お婆さんはまだ元気だが、お爺さんの方は体が少し弱っていた。
勝手に家の中に入っていったのだが、老夫婦は僕を歓迎してくれた。
二人はこたつに入ってテレビを見ていたようだ。
そのテレビはどこか、見覚えがあった。
愛知県(?)のローカルのテレビ番組のようだった。
「なつかしいですね」
そういうと、老夫婦は気をよくして、僕にお茶とお菓子を出してくれた。
ずっとここにいてもいいんだよと、優しい言葉をかけてくれる。
とくにおばあさんは、僕にここにいてほしいみたいだった。
この家には秘密が隠されていた。
その秘密をおじいさんは僕に伝えたいようだった。
なぜなら、おじいさんはもう先が長くないことを悟っていたからだ。
(場面が変わった。)
どこだかわからないが、過去に(夢で見て)見覚えのある住宅街にいる。
分譲地のようにも見える。
その住宅街に住んでいるようだ。
徐々に思い出してきた。
分譲地の一画に大きな倉庫が作られていた。
その倉庫は分譲地に家を購入した人たちの共同倉庫のようだ。
分譲地を販売する会社がサービスで用意したものだった。
しかし、新たに家を購入した人は、その倉庫を利用できなかった。
なぜなら、その倉庫は荷物で満杯になってしまったからだ。
うちも布団?やら大きな荷物をたくさん収納していた。
そこで、管理会社はその倉庫の横に大き目の物置を作って、そこを新たに引っ越して来た住民用とした。
新しい家がひっきりなしに建築される。
家と家との距離が近く、とても窮屈な分譲地だ。
あるとき大きな荷物が届いた。
なんだかわからないが、カーペットを丸めたような細長いもので、直径は1メートルくらいのもの。
もう倉庫には置くスペースがないから手押し台車にのせて家の中にしまおうと考えた。
どの角度からも入らない。
いったりきたりしていたら、その荷物が道を歩く子供たちに当たってしまった。
幼い男の子の兄弟のようだった。
弟は転んで、その拍子に首が取れてしまった。
首が取れたのだけど、まだ生きているようだ。
ロボット?
お兄さんは慌てているようだが、特に何もするわけではなかった。
僕は急いで救急車を呼ぼうと119番に電話した。
「首が取れてしまいました、どうしましょうか?」
電話の先の担当者は冷静に言った。
「私がガチョウの歌を歌うので、それを歌ってください。
ガチョウが、ガーガー、ガーガーガー♪」
どうしてこんな大変な時に歌をうたわなければいけないのだろうか?
歌おうかどうしようか迷っていると担当者はまだ歌っていた。
「ガチョウが、ガーガー、ガーガーガー♪」
目が覚めたら窓からの冷気が首に当たり、寒くてたまらず布団を首までかけ直した。