どこかに旅行に来ている。
高齢夫婦。
日本中をあちこち旅しているようだ。
お金持の夫妻。
僕は、その夫の視点で見ている。
大きなお寺に旅行に来た。
庭は日本庭園風に仕上げてあり、とてもきれいだ。
夫妻は緑のクラシックカーをお寺の駐車場に止めた。
この緑の車はどこかで見たことがあった。
しばらくすると、お寺に窃盗団がやってきた。
そうとも知らずにお寺を観光している夫妻。
緑のクラシックカーが勝手に動き出し、夫妻は驚く。
盗まれた!
そう思ってクラシックカーの方を見ると、拳銃を持った男が運転していた。
待て!
そう叫ぶと、男は拳銃を乱射して逃げ去っていく。
妻がお寺に止めてあった自転車で緑のクラシックカーを追う。
拳銃で撃ってくるから深追いするなと妻を制止する。
早く捕まえないとクラシックカーは外国に売られてしまうだろう。
そう思って持っていたスマホで警察に電話する。
すると、おばちゃん婦警が出た。
とても話し方が穏やか、かつ事務的で、こちらの切迫感が一切伝わらない。
話もなかなか通じないし、すぐに捜査をしてくれる雰囲気もない。
とにかく早く捕まえてくれとスマホ越しに叫ぶ。
そういえば、あの車にはエアタグが仕掛けてあったことを思い出した。
スマホを見ると既に山口県辺りまで逃げていた。
空輸しているような動きだ。
すごく移動が早い。
それでも警察はなかなか動いてくれない。
これはもうあきらめるしかないのだろうか。
そう思った時にふと思い出した。
緑のクラシックカーは既に売却済みだったのだ。
自分の手から離れた車だった。
妻と自分ですでに二台持っているが三台目の車としてクラシックカーを購入したのだ。
しかし、三代目はもう不要だから売却したのだった。
今回、その売却した車を買った人が盗まれたようだ。
うちの実家の近所の「一丁目」に住んでいる高齢者だ。
そして、その高齢者はたくさんのクラシックカーを持っていた。
しかし管理が悪い。
野ざらしにされ、盗んでくれと言わんばかりの保管状態だった。
古いクラシックのベンツなども置かれている
電車からその様子が見えた。
その様子を見て、次はクラシックカーに乗るのも悪くないなと、そんなことを思った。