この資源不足、物価高、先行き不安の多いご時世。
僕も不安ではあったが、資産を持っていたことに少し安心材料を見出していた。
実は先日、土地を購入して家を建てたことを思い出す。
その土地は吉良上野介にゆかりのある土地である。
そこは海に近い分譲の別荘地。
細長い形状の土地で、とても広い。
大き目の家を建てても、まだ3軒くらいは家を建てることのできるスペースがあった。
その分譲地はまだ全部売れてなくて、一般の人も購入可能だった。
僕はそこの土地を買って、家を建てた。
二階建ての大きな家、いわゆる豪邸である。
ただ、二階部分は耐震を考えたのか小さめの造りであり、実質一階建てだ。
家の二階から南側を見ると、南側にある家が見える。
本来なら、はるか遠くに海が見えるはずである。
「二階部分を改築して、三階部分を増築すれば海を見ることもできるなあ……。」
そんなことを考えていた。