学校の教室のような場所。
高校だろうか。
僕は一番廊下寄りの列の、一番前の席に座っていた。
すると、ニキビ跡が酷く、顔がボツボツで岩のようになった女が現れた。
その女は高校の同級生Kに似ていた。
今はSDGS関連の仕事をしているようだった。
Kは僕を教室の前に置いてある教卓の方へ手招きで呼び出し、SDGSビジネスの仲間である年配女性を紹介し始めた。
その年配女性とKは一緒にビジネスをしているようだが、少々怪しい感じがした。
この教室はビジネスのクラスだろうか。
僕はシステム(のようなもの)を作る役割のようだ。
Kとその年配女性は僕に仕様書を渡して構想を話してきたので、何かを頼みたいようだった。
「そうですか、それは素晴らしいですね」
SDGSビジネスという胡散臭い内容に僕は拒否反応を覚えて、二人には適当なことを言ってその場を逃げた。
結局そのシステムを作ったのか、別のシステムなのかどうかはわからないが、僕は、なんらかのシステム(のようなもの)を構築したようだ。
そのシステムは比較的規模の大きなものだったので、まだ未完成である。
しかし、未完成でも使える機能から運用開始していかないとビジネスチャンスを逃すから、それは止むを得なかった。
そのことを僕だけが知っていた。
すると、システムのことをあまりよく知らない松潤(嵐)が、なぜか突然に現れて、進捗状況を聞いてきたので、僕は答えた。
「あの機能も、そしてこの機能もまだ未完成です。こちらは不具合もあります。でも、まずは動かせるところまで実装したのです。」
しかし、松潤は既にシステムが完璧に完成しているものだと思っていたようで、僕に嫌味を言いはじめた。
「まだ未完成なのですか? あなた、思ったより大したことないですね。いつ完成するんですか?」
悔しい思いをしたが、我慢して耐えていると、廊下から2番目の列で僕の3つ後ろの席の女が急に泣き始めた。
「どうして、あなたはいつも言われっぱなしなんですか? どうして言い訳をしないのですか? (自分が悪くないことを)説明しないから誤解を生むんですよ?」
女は僕にそう言って、机に突っ伏して延々と泣いている。
眼鏡をかけた長髪の女性で、いろいろな事情を分かっている人のようだ。
しかし、その様子を途中から見たクラスメイトは、僕が理由なく女を泣かしたと思ったようだ。
女子をイジメた男子ということで、僕はクラスのみんなに責められ始めた。
また同じことが起こってしまった。
これは以前にもあったことだ。
僕はまた全員を敵に回してしまったのだ。
でも、僕は悪くないし、何も悪いことをしていない。
良かれと思ってしてきたことが、またしても理解されなかった。
でも、僕はそうなることを分かっていたから、何も言い返す気が起きなかった。
クラス全員を敵に回した。
そのクラスメイトの一人が僕を執拗に攻撃し始めた。
それは大男だったが、高校生なのに歳をとっており、意地悪な爺さんのようだ。
バカにしたような顔で、ヘラヘラとよくしゃべる。
ちょいちょい僕の席に来てはバカにして、戦いを挑んでくる。
しかし、本気で戦う気にはなれないし、少しだけ相手にすることもあったが、勝とうとは思わなかった。
というのも、この男やクラスメイトたちに負ける気がしなかったからである。
僕は周りからの反発に立ち向かう強い気持ちがあった。
しかし、その気持ちは「戦い」ではなく、ただ「自分を抑える」ことにしか使われていなかった。