僕は再び大学にいた。
どうも大学を再受験して入り直しているようだ。
※ ちなみに、大学に入る夢は過去に何度も見ている。
現実では単位をしっかりとって大学はちゃんと卒業しているのだが……。
授業をサボって、単位が全然取れてないことに焦る自分。
大学に在籍できるのはあと1年、焦る気持ちで迎えた3月の半ば。
今季こそ、そろそろ真面目に大学に通うことを決意した。
その決意からか、まだ夜暗い中、僕はアパートを出て大学へ向かった。
アパートではTシャツ一枚を着てくつろいでいたのだが、ふと思い立って大学へ向かったのだ。
暗い中、大学の教室などを見て歩く。
学生たちは誰もいない。
カリキュラムをどう組んだらよいか、必須科目はもれなく取っているだろうか。
足りない単位はどの授業で工面したらよいか。
色々考えたいたら周りが明るくなってきた。
そろそろアパートに帰ろうか。
そう思って歩き出すと、なんとTシャツ一枚で下に何も履いてないことに気がついた。
これじゃ変態じゃないか!
僕はTシャツを無理やり引っ張って、大事なものが見えないようにアパートへ逃げ帰った。
帰る途中、大学のグラウンドだろうか、野球をやっている人たちがいた。
どうも硬式野球のようで、ボールは重くて堅そうだ。
草野球専門の僕には硬式野球は無理だなと思うのだが、ちょっとやってみたいと興味を惹かれる。
でも、野球をしているのはプロでもなく大学野球でもなく、普通の素人の同好会ような感じだ。
ふとドラゴンズの鵜飼選手のことが思い浮かんだ。
鵜飼選手が4年生の時に受けた授業がとても難しいものだったそうだ。
とても難しい授業があって、こんな授業の単位を取るのは無理ではないか?
そして再び大学の単位のことを思い出し憂鬱になった。
そうだなあ難しいよなあ……。
今さら頑張っても遅いのではないか、ずっとそう思っていた。
これだけサボってしまったら、もう取り返しがつかない。
そもそも夜型になってしまって朝起きるとすでに夜なのだ。
つまり大学の授業に出られないのである。
でも、まだ授業は始まったばかりだし、3週間ほど過ぎただけだ。
なんとか朝型に戻そう。
最初の3週間をサボっても、残り全部出れば、まだ単位は取れる!
いや、ちょっとまてよ?
まだ3月じゃないか!
ということは、まだ全然大丈夫だ、これから真面目にやれば大学は卒業できる!
なぜ気がつかなかったんだろう?
でも試験はどうだろう、あれはとても難しいぞ。
いや、授業をちゃんと出ていればそんなことはないはずだ。
そうだ、授業に出てないから難しく感じるんだ。
なぜそんなことを今まで気がつかなかったのだろうか!?
アパートに戻る道、付近の様子を垣間見る。
大学のある場所は住宅街だ。
駅も近い、便利な場所に大学はある。
僕は妻と駅に来ていた。
駅のホームには数限りない自販機がずらっと並んでいた。
その自販機は、何が出るかはわからない。
でも、自販機を見ると陳列ケースには高級ブランドのバックが並んでいたのだ。
バッグの自販機ならいいじゃないか?
そう思って、妻に買ってみてよと伝える。
妻がコインを入れてボタンを押すと、黒いバッグが出てきた。
近くで婆さんがニコニコしながら見ていた。
この婆さん誰だろう、笑ってみてるけど、うらやましいのだろうか?
そう思って黒いバッグの中身を見るとガンプラ(ガンダムのプラモデル)だった。
うらやましいのではなく、ガンプラが出るってことを知ってて笑っていたのだろうか?
シャー専用ザクのプラモデルだった。
箱は黄ばんでおり長らく自販機の中で眠っていたのだろう。
この自販機はガンプラが出てくるとわかっているためか、最も人気のない自販機だったようだ。
僕ら夫婦が初めてこの自販機で買ったみたいだ。