プレゼンをすることになった。
それは何らかの受注をするためのプレゼンだ。
プレゼンの場所は数百人の観客がいる大ホールのような場所。
舞台の中央に立ち、観客たちの前でのプレゼンである。
観客はよくみると会社の同僚たちだった。
みんな知っている顔だ。
なぜか高校時代の同級生で近所に住むTKもいる。
何の会社かわからないが、その組織の一員のようだ。
機械系の会社だろうか。
プレゼンをするのは自分ともう一人誰か競合がいて、二人のプレゼン対決のようだ。
ここで優秀な発表をすれば受注できる。
しかし、僕はプレゼンをする意味が分からなかった。
僕はプレゼンをする必要が無いのだった。
なぜなら、プレゼンをするのは営業担当者の役割であり、僕はエンジニアだからだ。
それなのに、なぜかプレゼンをする羽目になった。
一組目のプレゼンが終わるまでに営業担当者を探さなければならない。
会場を探し回るが、営業担当者はいない。
TKが出てきて、プレゼンの準備はどうかと僕に聞いてきたので答えた。
「僕はプレゼンなんかやらないよ。プレゼンは営業担当者の役割だから彼らを探すよ」
TKはそれを聞いて驚いて言った。
「みんなオマエがプレゼンをすると思ってるよ。放棄するなんて勇気あるなぁ」
それでも会場を歩いて営業担当者を探す。
会場内は和気藹藹としており、食事をしながらプレゼンを聞いている者もいた。
「この雰囲気なら、ウケ狙いで舞台に立って、ギャグを披露してもよさそうだ」
そんなことを思いながらも、営業担当者を探す。
すると、とある社員が僕の前に現れて言った。
「営業担当者は今日いないよ。お休みなんだ」
ふと観客席を見ると、確かに営業担当者の席は空席になっていた。
営業担当は二人いるはずだが、どちらも空席だった。
「おいおい、なんてやつらだ、サボったのか!」
そう思って二人の名前を思い浮かべると、中国人だか韓国人の名前が浮かんできた。