どこかのお店にいる。
和風の店舗で、従業員もたくさんいる。
老舗のとんかつ屋のようだ。
僕はテレビの取材でここに来ていた。
しかし、取材班は大勢いて、まるで修学旅行のようだった。
老舗のとんかつ屋に、いろんな秘密を聞き出す。
特定の上客にだけ、メニューにない特別なトンカツを出すという。
その場合は、特定の番号を振って区別しているようだ。
僕たち取材班は、特別な客として、特別に大きなトンカツを振舞ってもらうことになった。
取材班の部屋にとんかつ定食が配膳されていく。
厨房は慌ただしかった。
いつのまにか、取材班の人たちも厨房を手伝い始めた。
自分たちのとんかつは自分たちで配膳しようと思ったのだ。
僕も自分の食べるトンカツを部屋に運ぼうと思ったが、間違って一般客用の小さなトンカツを持ってきてしまった。
「しまった!」と思い、別の取材班の部下に、僕のとんかつを取り換えておくように命令をした。
ところが、その取材班の部下は、状況を把握していなかった。
つまり、ボーっとしているタイプの人間だったため、トンカツを取り換え損ねたのだ。
さらに、小さなトンカツを引き上げてしまったため、僕だけメインディッシュのとんかつが無くなってしまった。
あきれてしまったが、部下に怒ることなく、余ったトンカツを持ってきてくれと静かに頼む。
しかし、部下たちはボーっとして、ただ厨房であたふたしていた。
「おい、おまえら、ちゃんとやれ!」
ついに注意するが、効果は無かった。
しかたなく、トンカツ無しのとんかつ定食を頂くことにした。
すると、目の前に大きなキャベツの山が現れた。
キャベツは自由に食べても良いみたいだったが、なんとキャベツの山にスマホで電話している女が座っていたのだ。
食べ物の上に座っているとは、なんて行儀の悪い女だ。
そう思ったが、注意することもなく、女が触れてない部分のキャベツに直接ソースをかけ、はしで取って食べようとした。
とんかつも食べたかったが、仕方がない。