妻と二人で新幹線に乗っている。
僕の実家に向かっているようだ。
新幹線なのに、新東名の上を走っていた。
地図が頭の中に浮かぶ。
浜松あたりが見えている。
新東名の浜名湖インターチェンジ。
東名高速へのつなぎの道がそこに表示されている。
いつもそこで降りる。
でも今日はその次の豊田あたりで降りることになっている。
ところが、浜名湖で降りるものと勘違いした妻が一人で降りてしまった。
僕はその様子を見て、「ここじゃないよ、次だよ」と言いたかったが、敢えて声に出さずに見ている。
結局、僕が座席にまだ座っている様子に気がつかずに、妻は浜名湖で降りてしまった。
「次の豊田インター辺りで合流すればいいか」と楽観的に構える自分。
すると、そこへ妙な親子がやってきた。
大学生くらいの子供と、その父親だった。
妻が座っていた席に、大学生くらいの子供が座る。
僕は「勝手に座るなよ」と思いながら、その親子の会話に聞き耳を立てる。
親子は「にいがたせんたろう」という人物について話していた。
その人物は「あれからどうなっただろうね」と思い出話をしているようだった。
聞いたことのない名前。
でも、その人物は恐らく小学校時代の同級生SNのことを指しているのだと思ったが、黙って聞いていた。
すると、隣に座った大学生の子供が席を立った。
その時にふと窓から外を見ると、まるで外国のような景色が勢いよく過ぎ去っていった。
その景色は、まるで飛行機から見ているようでもあった。
これを写真にとらなければと咄嗟に思い、スマホを外に向けるが、なぜかシャッターが切れなかった。
何度も何度も撮影しようと思うのだが、シャッターが切れなかった。