自宅かと思ったが、アパートだろうか。
和室と洋室の続き間が見える。
大学時代に一人暮らしをしていた時のアパートに似ている。
アパートは2階建てだが、2階なのか、1階に住んでいるのかわからない。
ふと、洋室の床、フローリングがペコペコしているのに気が付く。
隣の和室の畳もへこむ。
どうしてへこむのだろう?
もしかしたら水が溜まっている?
雨漏り?
何らかの欠陥があるに違いない。
再び、ペコペコの床が、アパートなのか自宅なのか、区別がつかなくなる。
もしも自宅だとすれば、まだ築5年だ。
ハウスメーカーに苦情を言わなければいけない。
そう思っていたら、柔らかくなった床が、どんどん膨らんできた。
床下が盛り上がってきたのだ。
これは何かおかしい!
すると、ラジオから女性アナウンサーが慌てた声で叫んだ。
「何か変ですよ…、揺れてますよ!」
地震が起こったようだ。
そのため地殻変動が起きて床が破壊されたのだ。
次第に大きく揺れ始める。
避難用具、いや、財布と鍵など大事なものだけ持って逃げようとする。
妻はあたふたしていた。
ふと、愛犬を連れて逃げないといけないと思った。
しかし愛犬が見当たらない。
妻に犬を連れて逃げてと言ったけど、やはり妻はあたふたしていた。
愛犬と家族と一緒じゃないと逃げられない!
と思いつつ大きく揺れる部屋の中で呆然とする。
家が倒壊するかもしれないという大きな揺れ。
まともに立っていられない。
玄関のところまでくると、やはり、ここは自宅ではなかった。
アパートの玄関のように狭くて小さな玄関だ。
すると、妻が「変な放送が始まった」と言った。
ラジオから変な音が流れた。
ピーという音が鳴ったかと思ったら、とても高い高周波、超音波的な音が鳴った。
関東地方が揺れたようだ。