夢の中ではよく見かける土地。
住宅街のような郊外のような、田舎の荒れ果てた土地のような場所。
大型トラックの使い古されたコンテナのようなものが放置されている。
よく見ると、風雨で黒ずんだコンクリートブロックでできた古びた公衆トイレだった。
そこに向かって急ぐ僕。
なぜか僕の一歩先には高校時代の同級生Sが競争するかのようにトイレに向かって歩いていた。
トイレに入ると、案の定小汚い。
床も壁もすべて汚いトイレ。
しかし困ったことに、大きい方をしたかったのだが、個室がない。
いや、個室はあるのだが、扉がない。
扉はないが、個室に入れば、壁が目隠しになって、かろうじて人目は避けられた。
でもさすがにこんな明け透けなトイレの個室に入る人は誰もいない。
困ったが、やっぱりトイレに行きたかったのでやむを得ないので入った。
ところがそのトイレは、中に水が貼ってあり、入ると肩のあたりまで水があった。
なぜ水が個室から外に漏れないのかは謎。
意味が分からないトイレ。
トイレの窓から外を見ると人が歩いていた。
見つかったら恥ずかしいから窓から顔が見えないように隠れた。
そして、已む無く水の中で用を足した。
その時に思った。
この水は循環していないのではないかと……。
とすれば、このトイレを利用した前の人の分も水の中にたまっているのではないかと。
これは汚い!
水中トイレであたふたしていると、戻りが遅いと妻が心配してトイレまで迎えに来た。
僕は、言い訳をした。
トイレが開いておらず、やむを得ずこの汚いトイレを利用したと。
トイレを見渡すと、トイレの壁に簡易シャワーが付いていたので、シャワーで汚れを流すことにした。
妻が待っている中、シャワーで洗い流していると、急にトイレからアナウンスが流れた。
「まもなく終了時間です」
ここは海水浴場だったのだろうか、なんらかの施設だったのだろうか。
夕刻を過ぎ、終了時刻が近づいてきたのだ。
終了時間とともに、シャワーの水が徐々に止まり始めて焦る僕。
まだ汚れをすべて落としてないのにシャワーが止まったら困る。
シャワーの詮を思い切りひねると絞り出るように水が出始めた。