大人しそうな雑貨屋の店主の男がいた。
話を聞くと、辛くて仕事を辞めたそうだ。
経営が大変そうには見えなかったので、僕はいろいろと調べてみた。
すると、店主が言うほど儲からなくて苦しい状況ではなかった。
赤字、つまり損も出してなかった。
どうやらどんぶり勘定だったようて、帳簿すらちゃんと付けてなかったから正確な損益がわからなかったようだ。
お店を出て住宅街を歩いた。
すると、線路沿いの人通りの少ない道で、お茶の入ったペットボトルをボール代わりにしてオッサン(爺さん?)達がキャッチボールをしていた
聞けば、長らくこのスタイルでキャッチボールの練習をしてきたらしい
意味が分からん。
歩いていくと、先ほどの雑貨屋の店主が軽トラでトンネルのような場所に入っていく様子が見えた。
なぜか住宅街の真ん中に竹藪があり、その先にはトンネルがあった。
どこへ行くのだろうかと思って、僕は店主の軽トラを追った。
しかし、最初でこそ車が通れるほどだったのに、どんどん道が狭まる。
ついに人が通れないくらい狭まった。
その壁は泥のような弾力のある壁で、押し広げながら先へ進む。
なかなか出口が見つからない。