そこそこな広い土地を購入し、平屋の家を建てることになった。
そんなに高級な家ではないが、夫婦二人が余裕を持って暮らせるほどの平屋。
書類を整理していると母が出てきて、「まさか、また家を買ったんじゃないだろうね?」と言われるが、適当にごまかす。苦笑
悪いことをしているわけではないが、自分の両親は昔から子供が何をやっても否定することが多かったので、また怒られるんじゃないかという思いがあり、誤魔化したのだ。
しかし、怒られそうな要因はあった。
それは、今回の平屋で所有する家が合計で3つ目になるからだ。
3つも家があっても同時に住むわけにはいかないし、これだと誰が見てももったいない。
1つ目の家は、以前に田舎暮らしをしていた場所。
でも、そこは以前に住んでいた場所とは異なり、山の中腹を削って造成された土地に佇む平屋。
かなり広大な土地だった。
段差が5mくらいある2段のひな壇で、下段は駐車場、上段に家屋があった。
もう一つの家は、どこかの住宅街にあり、どことなく実家の裏の方にある土地のような雰囲気。
3つも同時に家を持っているのは贅沢だと思ったのか、または、残り2つは無駄と思ったのか、売りたいという思いもあった。
そんな思いもありつつ、新たな土地に建築中の平屋を見に行く。
不動産屋も一緒にいる。
田舎暮らしの時の不動産屋Sさんだろうか。
建築現場を一緒に見て進捗を確かめる。
ここの土地は高台にあり、眼下には新興住宅街が広がっていた。
すぐ下の段の土地にも新しい家が建築されようとしており、その家の屋根が少しだけ風景を遮るのがなんとも気に入らなかった。
建築現場には女性の作業員もいた。
ニコニコしながら作業をしていた。
その様子を見ながら、古い2つの家が早く売れないかなと思う。
ふと、ローンが心配になって、当時の書類を探し出して見てみた。
でも、お金の心配はしなくても大丈夫なくらい余裕があることがわかった。
あまり未来の資金計算をしておらず意味なく不安になっていたが、ちゃんと計算するべきだなと思った。
そして平屋の完成を待つのだった。