誰かの依頼なのか、僕は長編の物語を書いていた。
そしてそれが完成しようとしている。
が、完成するかしないかのうちに、誰かが物語について追加の要望を出してくる。
誰なのかわからないが、妻もその人を知っているようだ。
どこかの出版社の編集者だろうか?
いや、物語についての要望というよりも、その物語をコピーして別のバージョンにしろというのだ。
少なくとも、2つのアレンジバージョンを用意しないと、ウケないというのだ。
仕方なく2つのバージョンを用意する。
そのうちの一つは赤いバージョン。
炎のようなバージョンである。
でも、そうすることが良いとは思わなかった。
「なんだかなあ」
「意味あるのかなあ」
そんなことをブツクサ言いながら準備していた。