
田舎暮らしをしていた時の家が見える。
いや、似ているが少し違うような気もする。
なぜなら、その家は観光地のような場所の近くにあるからだ。
(当時の家は周りに何もない)
家に入ると、ちらかっていて乱雑だった。
しかも、寝室とリビングの間にあるドアが壊されていた。
いや、わざと壊したのか、撤去したのか判断が付かなかった。
寝室がリビングから筒抜けになっていて、なんだか嫌な感じだ。
仕方なく別の部屋で寝ようと考えた。
しかし、強盗も流行っているようだし、一人で寝るのも不安だ。
やはり、妻と寝室で寝ようか。
しかし、どうしてドアがないのだろう。
問い詰めると、どうやら妻の仕業のようだ。
「これどうするつもり?」
そう聞くと、斎藤建築?とかいう業者がドアを直すことになっているようだ。
どうして相談もなく、そんな勝手なことを…。
そう思ってイライラとしていると、斎藤建築の人たちが家に入ってきた。
妻を問い詰めるのを中断し、仕方なく彼らの様子を見ていた。
そのうち、斎藤建築の人たちとリフォームの打ち合わせをしよう、という話になった。
家の近くに劇場があるから、そこで打ち合わせをすることになった。
打ち合わせの日は、朝早く起きて劇場に向かった、
劇場に付くと、演劇が始まる時間だった。
劇場の中に入ると、とても広かった。
観客席を見渡して、どの席に座ろうか迷う。
前の方の席に行こうと思い、観客席の中を歩いて席を探した。
すると、崖のように飛び出ている席を見つけた。
面白そうだからそこに座ろうと思い席に着くが、どうやら子供の用の席のようで狭くて座りにくかった。
周りから「そこの席は座りにくいよね」という声が聞こえた。
さらに「ここに一回座ると出にくいよ」という声もした。
この席はやめよう。
そう思って席を立ったが、崖のようになっているから席を出られない。
すると、席がブランコみたいに揺れていることに気が付き、ちょうど地面に近づいたタイミングで席をぴょんと飛び出た。
もう一度席を探すが、どこを見渡しても空いた席は見当たらなかった。
仕方なく劇場の外に出ると、そこは観光地だった。
昭和レトロな観光地、温泉地のような雰囲気だ。
道に並ぶオレンジ色の街灯がキラキラと光って綺麗だ。
お店から暖かい光が漏れていた。
そうだ、ここは前にも来たことがある!
何度か来たことがあるぞ!
そう思った。
すると突然思い出した、早くしないといけない!
街の中を走ってまた劇場に行く。
劇場の入り口で「もうすぐ時間ですよ」と劇場係のタキシードを着たおじいさんの声が聞こえた。
実は僕は劇の台本を書いていたのだ。
そして、この日は演劇(台本)のコンテストだったのだ。
あぁ、もう時間がない!
時計を見ると12時だった。
朝早く起きたつもりが、もうすでに昼だ。
劇場に行ったのに、もうコンテストも終わってしまう。