国の歴史にとって大切な遺産がある。
それは文化財など形のあるモノではなく、熊野古道のような「道」だった。
それは今もそこにあるのだが、当時とは異なる形で称えられていた。
富士宮という文字が見えた。
そこで、その道をもう一度歩き直すことにした。
過去にさかのぼり、その道を歩き直すのである。
何度も何度も歩くと、その道の本当の意味が分かってくるのだ。
何千何万と歩いただろうか、やっと当時と同じ道の形が見えてきた。
すると誰かが、その成果にお墨付きを与えた。
やっと道が完成したのだ。
それを知った者たちが、道についてたずねてくる。
多くの人が道のことを聞いてくる。
僕は道について答える。
道であるが、それは道でなく、僕は道案内をするのだが、それは生き方の案内でもある。