
旅行に来ている。
一人ではないようで、ほかにも一緒に来ている人たちがいる。
それは職場の仲間のように感じる。
でも社員旅行ではない。
僕が職場の仲間たちに声をかけて、ドライブに誘ったようなのだ。
僕はそういうことをする積極的なキャラではないのだが、もしかしたら自分ではない誰かの様子を見ているのかもしれない。
仲間たちには、なぜかクライアントのK氏がいた。
他にも色んなメンバーがいるが、知っているようで知らない顔だ。
途中、海の近い街で車を降りて、小さなお店に入る。
店の駐車場で仲間たちと話し込んでいると、お店に2台ほどの車が入ってきた。
車からは、やはり職場の仲間たちが降りてきて、僕たちと合流した。
先日たくさんの仲間たちにドライブに行こうと声をかけた。
だから、こうして遅れてやってきてくれたのだ。
嬉しかった。
車から降りてきた仲間たちは、やはり知っている顔なのだが、誰なのかはわからなかった。
その中の一人に、ドラゴンズの根尾選手がいた。
若い人たちも誘ったのだが、そのうちの一人に根尾がいたのだ。
しかし根尾はお店で買い物をしたのち、別行動をしたいと言い出した。
僕は根尾に声をかけて、みんなで一緒にドライブに行こうと誘うが、やはり「別の場所へ行きたい」と苦笑いしながらお店の奥へ消えていった。
強制はできないし、若い人だから僕らの年代とは嗜好が合わないのだろうと思うことにした。
僕らは車の近くに集まり、次はどこへ行こうかと相談しあった。
すると、藍色に赤のラインが入ったセーターを着た若い男が、仲間たちの後ろの方から前へ出てきて、ニヤニヤと笑いながら何かを言いたげな顔をしていた。
どうも、僕のことを嫌悪しているようだ。
だから、一緒に行きたくないと言うのだ。
じゃあ最初から来なければいいのに!と思ったが、僕は作り笑いを浮かべながらその様子を見守った。
すると、セーターを着た若い男は、終始ニヤニヤとした顔をして、ほかの若い仲間たちと車に乗ってどこかへ行ってしまった。
わざわざみんなの前で僕のことを嫌いだと表明するために誘いに乗ってここまできたのだ。
なんという陰険な男だろう……。
楽しい旅行が一気に険悪な雰囲気に染まった。
僕は、同じくらいの年齢の仲間の男性に、「一体どういうことなんだろうね?」と苦笑いしながらたずねた。
周りの仲間は、彼が僕を嫌悪していたことを最初から知っているようだった。
仲間の男性は言った。
「詳しくは見てないからよくわからないけど、以前の社員旅行の時の僕の行動が気に入らなかったみたいだよ」
僕の行動?
そう言われても、一体何のことなのかさっぱりわからない。
そのとき、セーターを着た若い男が去り際に「命にかかわることなのに」と言っていたことを思い出した。
僕が人の命に係わる重大なミスをしたというのだろうか?
色々考えたが思いつかず、腕を組みながら考え込んでいると、仲間の一人が言った。
「川魚の踊り食いの時だろ」
なるほど、確かに、生き物の命を粗末にした、そういう時があった。
どこかの観光地で川魚を生きたまま飲むという奇妙な伝統料理?があった。
それがあまりに気持ち悪くて、僕はそれを飲むことができなかった。
そして、川魚の入ったグラスを傾けて、足元の排水溝に流してしまったのだ。
どうやらその様子を見たセーターを着た若い男は、魚の命を粗末にしたことに腹を立てたのだろう。
しかし、意地の悪い男だ。
このドライブは僕が企画したものなのだから、だったら最初から来なければいいじゃないか!
それを、わざわざ誘いに乗ったふりをしてここまでやってきて、挙句の果てには仲間たちの前で、僕が悪人だということを示してから去っていったのだ。
これは当てつけだ!
だんだん腹が立ってきた。
今度職場に戻ったら、あいつの胸ぐらをつかんで、ぶんなぐってやるんだ!
「川魚を溝に捨てるのがそんなに悪いことなのか!? どうせ食べちゃうんじゃないか! どっちにしろ魚を殺すんだ!」
僕が腹を立てていることがわかると、同い年くらいの仲間の男性が、僕をなだめた。
そして、苦笑いしながら言った。
「若い奴らはその様子を見ていたんだけど、俺らは見てなかったからな」
彼の言ってることがよくわからなかった。
見たとか、見てないとか、関係ないじゃないか。
すると、ほかの仲間たちは、次の場所へドライブに行こうと僕を促した。
激しく気分が落ちた。
周りの仲間たちの様子はあまり変わってないように見えたが、みんなの前で悪者扱いされた僕は立ち直れなかった。
周りが全員「敵」に見えた。
次の観光地についた。
博物館のような、屋内の施設だった。
地域の伝統の製品などが売られているかと思ったら、ビジネス系の展示ブースのようなものもあった。
いつの間にか仲間とはぐれて、僕は一人で展示を見ていた。
もう僕はこの職場で働けないんだと、ずっと不安だった。
セーターの男への恨みというよりも、今後、どうしたらいいんだろうという不安だ。
周りから嫌われてしまうという不安。
施設には、たくさんの企業が展示をしていた。
ふと、この企業に今からでも入社できるだろうかと考えた。
今の職場を離れて、ここに行けばゼロからスタートできる。
すると、ブースにいる人たちが、自分が知っている人たちだと気が付く。
町工場とIT企業を合体させたような会社だ。
以前にこの人たちと一緒に働いた記憶があるが、この人たちが誰だかはわからなかった。
ふと周りを見ると、いろんな人たちが展示物を見にやってきていた。
混んできたし、そろそろ仲間たちを探さないといけないなと思い、左手のスマートウォッチを見た。
そこには、レーダーのように仲間たちがどこにいるのかを示す画面が表示されていた。
画面上の赤い点を見ながら、そこへと向かう。
すると、同い年くらいの仲間の男が現れた。
男は、いつも通りの様子で僕を見て声をかけるが、僕は彼がどことなくよそよそしく見えた。
こりゃ明らかにドラゴンズ根尾選手のニュースが夢になったぞ!笑
明らかに一昨日の根尾選手のニュースが影響した夢。
下記のニュースのコメント欄を読むとドラファンの怒りが強烈に伝わってきます。苦笑
中日・井上監督、「今の立ち位置にさえいられなくなるよ、って」 根尾昂と話した『現状』と『今後』明かす
それにしても今回の井上監督の根尾選手への発言は意味不明です。
意味不明だと思う理由はたくさんあり、それらはすべて、ドラファンの方々が上記のニュースのコメントに書かれております。
僕も上に書かれている数々のコメントに対して全く同感です。
根尾選手は、なぜか、我が子のようにその動向が気になる選手でありまして、過去にも根尾選手の夢を見ております。
恐らく、その孤立する恐怖というのが、自分の中にあるからこそ、こういう夢を見るのではないかとも思います。
また、難しく考えるタイプ、考え込むタイプだと言われている根尾選手の性格も、どことなく自分とダブるのだと思います。
相手もわからないことを質問して、相手から「頭が固い」「考え過ぎだ」と逆にキレられるという不条理さ。
考えすぎるなと言われるたびに、どうすればいいんだと余計にわからなくなる。
そんな若いころの経験が僕にはあります。
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ところで、ドラゴンズ首脳陣の根尾選手への扱いのひどさは野球ファンなら有名な話です。
実は、諸悪の根源はドラゴンズのフロントであり、ここが最低最悪な体質であるのもファンの間では有名です。
ここ数年は、最下位なのに観客増員という奇跡に胡坐をかき過ぎだ!と非難されてもいます。
ドラファンの中には、根尾選手を新庄日ハムへトレードせよと懇願する人、ご両親にならって今から医師になることを勧める人さえいます。
トレードについては僕も賛成で、実際、ドラゴンズで根尾選手同様に不遇だった郡司選手や山本投手は、日ハムに行って大活躍。
どちらも頭脳派の選手なだけに、立浪、井上両氏の精神論野球には合わなかったのだろうと推測されます。
同じく頭脳派の根尾選手も合わないのだろうと思うわけであります。
トレードに出すのはファンとして断腸の思いですが、本人の幸せを願うなら止む無し、という親心でもあるのです。
しかし、根尾選手の扱いは本当にひどい。
他球団競合の末にドラゴンズにドラフト一位で多大なる期待とともに入団した二刀流の根尾選手。
入団後はショート一本で頑張ると宣言したものの、外野をやらされたり投手をやらされたり、いろんなポジションを行ったり来たり。
これが首脳陣の指示なのか本人の希望なのか、わかりません。
しかし、少なくとも立浪政権の末期、外野にコンバートされた根尾選手はオープン戦明らかに好調でした。
あれだけ打っていた根尾選手を立浪監督は、なぜか投手にコンバートしたのです。
ファンは大激怒したわけです。
しかし、ファンとしては不満だった投手へのコンバートですが、驚くことに、根尾選手はその才能を投手として発揮したのです。
立ち投げ、野手投げと揶揄されながらも、相手打者を150キロを超える速球と切れのあるスライダーで抑える姿は、もうすでに一人前でした。
ところが、これだけ活躍した根尾投手は、なぜか翌年からフォームを変えたのです。
恐らく、周囲から「立ち投げ、野手投げ」と揶揄されたことが影響したのでしょう。
それでも、抑えていたんだからそれでいいじゃないかと僕なんかは思ったのですが、首脳陣、立浪監督なのか、投手コーチの指示なのか根尾選手はフォームを変えたのです。
もしかしたら、外部の評論家たちの声を気にして、自らフォームを改造しようと思ったのか真相はわかりません。
しかし、それが大失敗で、球速も140キロ台どまり、ついには2軍の試合にもあまり出してもらえずで、しばらく低迷してしまうのです。
今季から、ドラゴンズは立浪氏から井上氏に監督が変わりました
井上監督の現役時代はピンクのリストバンドでおなじみ、ピンキー井上などと呼ばれて親しまれていた選手でした。
しかし問題なのは、井上監督も、立浪氏と同様に昭和の精神論野球を好むタイプだということです。
選手と距離が近くて親しみやすく、よくしゃべり、何事にもポジティブであるというところは立浪氏と異なる点ではありますが、やはり精神論一辺倒はいただけません。
いや、「精神論」そのものが悪いわけではなく、そこに「知性」がなければ、ただの不条理な世界だと僕は言いたいのです。
知性とバランスを取ってこその精神論なのです。
ところで井上監督は、ポジティブをモットーにしています。
ポジティブシンキングは非常に良いことだと僕も思いますから、それは大いに賛成です。
井上監督のポジティブさは試合後のコメントにも表れています。
立浪監督は負け試合で度々選手を批判することがありましたが、井上監督にはそれがありません。
これだけでもファンからすると、とても嬉しいことなのです。(今回はちがうけどね……)
ただ気になったのは、キャンプの時です。
ポジティブなのは良いことなんですけども、「殻を破って声を出して明るくプレイするやつが好きだ」とか、そういうこと平気で言っちゃうわけです。
人間の個性は様々です。
野球選手だからと言って全員が威勢のいい性格の持ち主ではありません。
人前でバカをやるようなことが苦手な人もいるし、寡黙な人もいます。
そりゃ暗い顔した人間よりも明るい性格の方が良いかもしれませんが、問題はソコではありません。
この監督は、結果や能力じゃなくて、性格や内面で選ぶんだと、選手は思っちゃうところが問題なのです。
ようするに「不条理だな、公平じゃないな」「好き嫌いで選んでるのか?」って思うわけです。
すぐに結果の出ない若い選手や、おとなしい選手は、自分のキャラが原因で、監督に嫌われているから使われないのではないかと疑ったりすることもあるでしょう。
精神論野球の悪いところは、プレイにおいても「感情が出てない」「悔しさをもっと出せ」とか、そういう監督の発言に現れます。
立浪監督の「戦う顔してない」発言が最も有名ですね。苦笑
そんな理由で二軍に行かされた挙句トレードでは選手もたまったものではありません。
と、ここまで書いてきましたが、あくまでこれは野球ファン目線の話です。
内部にいる監督や選手からしたら、ファンが推測するようなものとは全く違う状況を目にしているのかもしれません。
ですから、ある種、これはファンの妄想かもしれませんので、ご了承ください。